時ならぬマルクス

ダと二エル・ベンサイド(Daniel Bensaïd, 1946-2010)

現代フランスのマルクス主義理論家で、1968年のパリの五月革命以降世代を代表するトロツキスト活動家。パリ第八大学の哲学教員を長く勤めた。『時ならぬマルクス」は、1991年暮れにソ連邦が解体したあと、今日までに刊行されたマルクス主義理論書しては最高の本。本書公刊を通じて、フランス共産党などから最高のマルクス主義理論家のひとりとして認容された。2009年初春には国際トロツキスト組織から一定の距離をおいた「反資本主義新党」(NPA) を立ち上げて注目された。哲学者のジャック・デリ夕、が格別の支援者で、あったことも知られている。
19世紀ヨーロッパにあって、大胆な政治思想的冒険の試みとして企てられたマルクスによる近代資本主義批判の思想は、その偉大さで世界を席巻した。20世紀末には逆境をも経験しなければならなかった。いま時節外れに思われかねない最中に、本書で解きほぐされた解釈のもとで、マルクス主義は21世紀の現代にかならずや蘇
生するであろう。

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